日々:その四十六

9月某日

2拠点分(西千葉と別邸)と、お店用の新米を精米に。
生産者さんの顔を知っているからこそ、一粒もこぼさないように、精米機へ。
田んぼで育てられ、収穫され、こうして手元まで届いた一粒一粒。
当たり前のように目の前にあるけれど、
その一粒には、たくさんの労働力と時間と手間が詰まっている。

「一粒も残さず、食べさせていただきます」
そう唱えながら、今年も新米を美味しくいただきます。



9月16日(水)

千葉日報新聞
「小豆島で巨大カボチャ大会 長生の田辺さん日本一」
’全国から巨大なカボチャを持ち寄って重さを競う「日本一どでカボチャ大会」が13日行われ、全国から39人が参加し、長生村の大工、田辺さん(69)が454.5キロで、初優勝した。田辺さんの孫の中学校一年響人さん(13)は425.5キロで3位に入った。’

なんだか、いいなぁ。
69歳のおじいちゃんと13歳の孫が巨大なカボチャを育てて日本一を競う。
こういうニュースで、世界が溢れていればいいのに。



9月17日(木)

三方を海に囲まれた房総半島は、魚介類の宝庫だ。
これからの時期は、秋さばに伊勢海老。
そして、さつまいもや落花生も収穫の季節を迎える。
海があり、山があり、畑がある。
もちろん、災害も多く、そのたびに辛い思いをすることもあるけれど、
それでも私は千葉県を愛している。
まだ知らない場所が、きっとたくさんある。
これからの季節、そんな未踏の房総を少しずつ旅してみたい。

9月18(金)

初の消費税減税。
来年4月から、飲食料品の消費税が8%から1%になるという。
政府は15日の臨時閣議で、飲食料品の消費税率を8%から1%へ、引き下げる税制改正大綱を決定した。2007年4月から2年間限定で実施すると明記されたそうだ。

おそらく、多くの企業は来年4月を迎えるまでに、7%以上の値上げをするでしょう。そして二年後、7%の消費税が戻ってくる。その頃には当然、商品そのものの価格も物価も爆発的に上昇しているのは明白ですよね。
(昨今の価格上昇を見れば誰でもわかることです。)

減税を支持(歓迎)する声も多いようですが、ちょっと考えてみたい。
一時的に税率が7%下がったとして、企業がそれ以上に商品価格を上げたら、
僕たちの財布には本当に「減税」の恩恵が残るのだろうか。
企業物価と消費者物価には大変な乖離があるし、売価は減税ほどには下がらない。
たった二年間の、甘い蜜。いや、そもそも甘い蜜になっているのだろうか。
結局、支払う金額が大きく変わらないのであれば、
我々市民にとって、減税と呼べるのだろうか。
一時的な「お得感」に目を向けるだけではなく、その先に何が待っているのか。
二年後の自分たちの財布を想像してみる必要があるんじゃないだろうか。

私は愚策だと思っていますし(キッパリと)、
4月から一ヶ月の食費全体から7%を貯蓄に回すことにしました。

9月17日(木)

『バリ山行』読了。
Megaさんみたいな勇敢な男になりたい。

9月18日(金)

千葉日報
「高校生受け子疑い「闇バイト」参加か」
’受け子として高齢者からキャッシュカードをだまし取ったたとして佐倉署は17日までに、詐欺の疑いで千葉市花見川区の男子高校生(16)を現行犯逮捕した。調べに対し「金が欲しかったのでSNSで紹介されたアルバイトを受けた」などと説明しているという。’

言葉にならない。16歳の高校生だ。
SNSで流れてくる「アルバイト」の先に、犯罪が待っている。
本人がどこまで理解していたのか、どんな事情があったのか、
それはこれから明らかになるのだろうけど、理解はしているよなぁと思う。
動機が「金が欲しかった」ですからね。
ただ、これを「犯罪を犯した高校生」の話だけで終わらせていいのだろうか。
なぜ、16歳の少年が「金が欲しい」という理由で、そこへ向かってしまったのか。
なぜ、犯罪組織が、子どもたちにまで手を伸ばせる社会になってしまったのか。

高校生までもが犯罪に巻き込まれていく現実。
どう向き合えばいいのだろうか。

9月19日(土)

人生の中で、感覚が研ぎ澄まされる瞬間がある。
それは、行ったことのない土地を彷徨うこと。
言葉の通じない場所なら、なおさらだ。

朝日が昇り、やがて日が沈み、夜の街をひとり歩く。
見知らぬ街の灯りを眺めながら、自分がどれだけ遠くまで来たのかを、
身体で実感する。

旅を続けること。
彷徨い続けること。
そして、動き続けること。
そうやって、知識や知見を、自分なりに少しずつ養ってきた。
それは、きっと自分自身の矜持でもある。

旅をやめると、世界を見る解像度が少しずつ落ちていく。
建築家、熱帯モダニズムの第一人者、Geoffrey Bawaの写真集を眺めながら、
誰も知らない場所で、誰にも知られない自分を探している。
おそらく、自分が何者なのかをいまだに確かめているのだと思う。

9月20日(日)

「お弁当屋さん」の倒産が、2年連続で過去最多になるという。
お米や小麦粉、食用油。ガスや電気などの光熱費。包装資材、人件費。
あらゆるもののコストが上がる一方で、お弁当には「安さ」も求められる。
2026年の倒産を資本金別に見ると、1千万円未満が67.4%。約7割を占めるという。
大手チェーンはセントラルキッチンなどの仕組みで効率化できても、
町の小さなお弁当屋さんほど、コスト上昇をまともに受けてしまう。
地元で長く親しまれてきたお店。
いつ行っても同じ味で迎えてくれるお店。
そういうお店が、味や評判があっても、営業を続けられなくなっている。

京成みどり台駅前(JR西千葉駅から歩いて10分ほどのところ)にも、
昔からあったお弁当屋さんがあった。
数年前に、いつの間にか店を畳んでしまったようだ。
毎朝、店主が仕込みをして、
ひとつひとつのお弁当を作る。
そこには、効率や数字だけでは測れないものがある。
それが、少しずつ街から消えていく。

安くて便利なものが増えていく一方で、
私たちは、その便利さと引き換えに何かを失っている。

9月21日(月)

KYODO
「半壊の9割支援金なし、千葉豪雨 内水氾濫、認定低くなる指摘も」
’千葉豪雨で交付された住宅半壊の罹災証明書3千件余りのうち、国や県の支援金の対象外となる住宅が約9割に上ることが19日、証明書を出した15市町への取材で分かった。流木がぶつかるなどの明確な傷が付かない内水氾濫は認定が低くなるとの指摘もあり、県や住民が見直しを求めている。
共同通信の取材では、住宅半壊は15日時点で計3067件。さらに損害割合に伴って大規模半壊、中規模半壊、半壊に区分されるが、被災者生活再建支援法の支援金の対象外となる半壊が2786件と9割に達した。
外水氾濫が主だった2024年奥能登豪雨の石川県輪島市では8割弱、20年の豪雨で被災した熊本県人吉市では約3割で、ある自治体の担当者は「見た目の被害が出にくく、浸水高の証拠も残りづらいため、内水氾濫の方が認定が低くなりやすい」と明かした’

実に9割だ。絶句する。
しかも、今回のような内水氾濫では、「目に見える傷」が残りにくく、
浸水高の証拠も残りづらいため、実際の被害よりも罹災認定が低くなりやすいという指摘もある。家が水に浸かり、生活が壊れてしまっても、外から見て大きな傷がなければ、支援の対象にならない。
これは、あまりにもやりきれない。
被災した人からすれば、「半壊」と認定されたこと自体よりも、その後の生活をどう立て直すのかのほうが、ずっと切実な問題だろう。
税金とは、こういうときにこそ使われるものではないのだろうか。



9月23日(水)

新しいプロジェクトの予算を決めた。
最終的なアウトプットには、「これで失敗してはいけない」という、
強烈なエネルギーを詰める。

会社のお金だから、またやり直せばいい。
そういう気持ちで作ったものに、果たして人の心を動かすほどの緊張感が宿るだろうか。

一円でも無駄にしたくない。
一つでも妥協したくない。
もちろん、失敗することはある。

お金を賭けた瞬間にしか生まれない、緊張感がある。
それが、ものを作る人間の最低限の心緒だと思っている。



9月24日(木)

新聞を読んでいると、アカハラという初耳の言葉。
「アカデミックハラスメント」の略で、大学などの教育の場で行われるハラスメントとの事。
色々あるのねぇ。



9月25日(金)

副業だ、ポイ活だ、資産形成だ、FXだと、

どこを見ても「本業以外でどうやってお金を稼ぐか」という話ばかりだ。
でも、そもそも本業だけで生活できないこと自体が、おかしいんじゃないのか。
お金を稼ぐことを考えるときに、まず「本業」が選択肢として成立していない。
なんだか、みんな少しおかしな方向へ向かっていないだろうか。

税金や社会保険料だって決して安くはない。
ところで、自分が毎月いくら税金を払い、いくら社会保険料を払っているのか、
即答できる人はどれくらいいるのだろう。

いくら稼ぐかを考える前に、いくら持っていかれているのかを知る。
副業も、投資も、節約も、その後でいい。
まずは一度、出納帳をつけてみることをお勧めしたい。
自分のお金がどこから入ってきて、どこへ消えていくのか。
案外、そこから見えてくるものがあるんじゃないだろうか。

9月30日(水)

映画「それだけが、僕の世界」再見。
泣く。大いに泣く。

日々:その四十五

久々の更新です。

もちろん、つらつらと書き綴ってはいたのですが、実はそのテキストを消去してしまいまして……(消えてしまって、泣きたい。)。おまけにPCまで故障するというダブルパンチを喰らい、すっかり意気消沈しておりました。

そんなこんなで、なんだかこちらの雑記も疎かになってしまいました。
ごめんなさい。(誰に向けての謝罪なのか、よくわかりませんが。笑)さて、最近(今は2026年9月18日ですが)SNSに少々辟易しており、アルゴリズムに支配されている自分の脳みそが、なんだかどうにも許せないというか、「いや、いかんだろ、これ」と常々思っておりまして。そこで思い切って、一日のSNS閲覧時間を10分と決めてみました。これが、すこぶる調子が良い(おすすめですよ)。

もちろん、SNSでのお店の告知などはこれまで通り続けていきますが、それ以外は、どうやら自分にはホームページを覗いたり、こうして文章を書いたりするくらいがちょうど良いのだな、とあらためて思っている次第です。

それでは、なんとか救出することのできた3月の雑記を、以下に掲載します。引き続き、どうぞよろしくお願いします。


3月1日(日)

私たちは、うすうす気づいている。平穏な日常を守るために「気づかないフリ」を共有しているのかもしれない。この世界は、時としてあまりに無慈悲だ。 画面の向こうでも、もちろん知らない場所や目に見えない場所でも平然と他者の生を奪っている。世界はこれほどまでに広いというのに、その土壌は特定の誰かの所有物ではないはずだ。

私は、たとえ愛する人であっても、自分と異なる思想や信条を持っているのは当然のことだと思っている(若い時は相当悩んだ)。 私自身は特定の宗教を持たないけれど、だからといって自分の正義をプロパガンダのように植え付けたり、特定の枠組みを押し付けたりはしたくない。ましてや、その違いを理由に戦争の火種を育てるような真似は決してしたくない。


3月某日

日経新聞
「都営バス、深夜運行を3月末で休止 運転手不足で40年の歴史に幕」

’東京都交通局は3月末、都営バスの深夜運行全6路線を休止する。運転手不足を背景に約40年の歴史に事実上幕を下ろす。深夜バスは都市活動の24時間化や地価高騰を背景とした職住の遠隔化で1988年に始まった。2013年に終夜運転した路線もあったが、近年は縮小が続いていた。’

正直、これは予想通りの流れだと感じています。
社内のミーティングでも繰り返し伝えていますが、人手不足はすでにかなり深刻な段階に入っています。今後影響が及ぶのは、バスに限りません。鉄道、市営バス、高速バス、物流・配送、そして24時間営業のスーパーやコンビニなど、これまで当たり前のように維持されてきたサービスは、今後同じ形では成り立たなくなっていく可能性が高いでしょう。
特に物流や現場配送に携わる方々には、日々社会を支えていただいており、心から敬意と感謝を感じています。また、バス路線や高速バスの休止、さらには廃線が進めば、社会への影響は決して小さくありません。交通インフラを前提に購入したマンションや一戸建てなど、物理的に動かすことのできない資産と生活基盤は、インフラの変化によって一気に環境が変わってしまいます。生活の前提そのものがシフトしてしまう可能性があるという点で、これは多くの人にとって現実的な問題になるでしょうね。

本来であればロボット化や自動化、無人運転といった技術の社会実装をよりスピード感を持って進めていく必要があります。しかし日本は、制度や既存の利害関係など様々な要因から、どうしても変化への意思決定が遅れがちです。人口減少が続く以上、「人がいる前提」で設計された社会システムは必ず見直しを迫られます。今回のニュースは、その現実を改めて突きつける象徴的な出来事だと感じています。

世界を見ましょう。


3月10日(火)

千葉劇場で、ヨアキム・トリアー監督『センチメンタル・バリュー』を鑑賞。冒頭、テリー・キャリアーの「Dancing Girl」が流れた瞬間、初っ端から完全に持っていかれた。ああ、これは特別な映画だ。と分かるような入り方。観終わったあと、あまりの余韻にしばらく劇場の席から立てず。家族という関係のかたち、帰る場所という感覚、そしてふとした瞬間に立ち上がる記憶の断片。ヨアキム・トリアーの映画は、派手な出来事があるわけではないのに、気づけば心の奥をじんわり揺さぶられている。


3月11日(水)

黙祷。

2011年7月、JR仙台駅に降り立ち、レンタカーで石巻へ向かった。
あの震災からまだ数か月しか経っていない頃だ。
海岸付近を抜け、街に入って、そこにいても言葉が出なかった。
海の近くも、その先の道も、そこにあったはずのものが見当たらない。
ただ広がる静けさと、どこか現実とは思えない光景。

正直怖かった。写真は一枚も撮れなかった。
シャッターを切ることが、どうしてもできなかった。

帰り際、仙台市役所へ向かった。
自分にとってのできる限りの現金と、
前の月に店で開いたライブの売上をすべて持って。

ライブの前、ふたりで話をしていた。
あらたまったやり取りでもなく、自然と同じ方向を向いていたと思う。

「出演料、現地に持っていってください」

小山田壮平は、いつもの調子で、まっすぐにそう言った。
大げさな言葉はなかったけれど、その言葉だけで十分だった。
「OK。壮平くんの分も店の分も全部持ってこう」
あのときのやり取りも、街の静けさも、ふとした瞬間に思い出す。

東日本大震災から15年。
彼はミュージシャンとして、変わらず音楽を届け続け、多くの人の心を動かしている。
そして私は、小さな街で店を続けている。
特別なことは何もないけれど、日々を積み重ねながら。

それぞれの場所で生きて、それぞれのやり方で、あの日のことを忘れずにいる。
きっとこれからも、自分の中で静かに残り続けるだろう。

あらためて、心よりご冥福をお祈りいたします。


3月17日(火)

日経新聞
「電柱のカラスの巣を探せ 撮影ゲーム「ピクトレ」、千葉全域で新企画」

’送配電会社の東京電力パワーグリッド(PG)などは、電柱を撮影してポイントを集めるゲームアプリ「ピクトレ」の実証試験として、電柱にあるカラスの巣をターゲットにした新企画を千葉県などでスタートした。アプリでカラスの巣を1つ撮影するごとに300円相当のポイントを獲得できる。対象エリアは千葉県全域のほか、栃木県佐野市、群馬県館林市、埼玉県加須市。カラスの営巣時期に合わせて3月7日に始め、千葉県は4月10日まで、他の3市は5月31日まで開催する。カラスの巣を対象にしたピクトレのイベント開催は初めて。カラスが巣の材料に運んできた針金ハンガーなどが電線と接触して停電の原因となることがあり、参加者が投稿した画像を活用して早期の発見・除去につなげる。’

とてもいい取り組みですね〜。


3月26日(木)

共同通信
「首相「徹夜して懸命に考えた」 平和と繁栄はドナルドだけ発言」

’高市早苗首相は25日の参院予算委員会で、トランプ米大統領との会談冒頭で「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだ」と評価した発言について「渡米する飛行機の中で徹夜して懸命に考えた」と明らかにした。「さまざまな評価があることは承知している」とも述べた。発言の真意に関し、国際社会の平和と繁栄に向けて米国のリーダーシップ発揮を支持する考えだったと説明した。’

徹夜で考えた結果がこれだとしたら、これは少し(かなり)心配になりますね。
正直、思いつきの発言に聞こえます。
まずはしっかり寝て下さい。
まともなコンディションで国民のことを真剣に考えてください。

日々:その四十五

1月1日(元旦)

あけましておめでとうございます。
こんにちは2026年。
午前5時、車で西千葉へ出勤。
どこまでも広がる田園の奥に、どっしりと構える富士山を拝むことができた。
良い年になるかもしれない。
いつも通り、粛々と掃除と雑務を済ませる。

1月2日(金)

電車にて西千葉へ出勤。
ぐっと冷え込む朝方。関東でも雪雲が発生・発達する予想。
年初めの恒例行事。今夜は蟹を食すのだ。(日本酒確定)
明日から店が始まる。

1月3日(土)

cafeSTAND、仕事始め。
今年もよろしくお願いします。
……と思っていたら、自動給水装置の故障によりビル全体が断水。
14時、臨時休業となった。
水が出ないと、どうにもならない。
同時に被災地が脳裏に浮かぶ。
当たり前なんてないのだと身に沁みる。

復旧修理は長期戦になりそうだ。

久しぶりに、早川義夫さんがXに投稿していた。
愛犬のゆきちゃんが見れて嬉しい。

「自分は正しいと思っている人は正しくない。
自分はもしかしたら間違っているかもしれないと思っている人は正しい。
考え方や生き方を押しつけてはいけない。
そんなにステキならば嫉妬させてほしい。」
(早川義夫『女ともだち』より)

1月某日(日)

ニュース速報。
「ベネズエラに大規模攻撃、大統領を拘束
米トランプ大統領、SNSに投稿」
米国によるベネズエラへの大規模空爆と大統領拘束。
これは戦争に匹敵する武力行使だろう。

今まで戦争を始めなかったトランプ大統領。
どうするんだよ。

今日も店は臨時休業。
新年恒例、ブックオフへ。正月期間は全品20%オフ。
しこたま買い込んで、1万円ほど。

1月5日(月)

三省堂書店で本を買うと付いてくる紙のブックカバー。
端のところに書いてあるコピーが好きだ。
「本が好きな人には、きっと第四の欲求『読欲』がある。」

1月7日(水)

断水続く。

1月11日(月)

店長G、ベトナム・ハノイへ旅立つ。
断水継続中。
思い切って海外出張へ行ってもらうことにした。
ピンチはチャンスなり。

1月某日(月)

レジ前という場所は、今や各社の「不都合な優しさ」が複雑に絡み合って、身動きが取れなくなった不思議な空間だ。
「タッチしてください」 
「タッチしてください」 
「タッチしてください」

「本日はポイント5倍です」
「本日はポイント5倍です」
「本日はポイント5倍です」

端末はどこまでも健気に、そして機械的な執拗さでこちらを急かしてくる。そして、その丁寧なアナウンスのその裏側では、手数料という名の果実を分け合いたい決済インフラ各社の、静かな、けれど猛烈な「席取りゲーム」が繰り広げられている。

「ポイントは貯めますか」 
「ポイントは貯めますか」 
「ポイントは貯めますか」

「アプリはお持ちですか」
「アプリはお持ちですか」
「アプリはお持ちですか」

ポイントカード、 〇〇ペイ、交通系、○○タッチID。
店員さんが向けてくれる優しい微笑は(本当に大変な作業だと思う)、今や顧客データを囲い込みたい企業のマーケティング戦略の一環に組み込まれている。数ポイントのささやかな幸せと引き換えに、私たちはどの企業の背中を追いかけるのか、レジを通るたびに品定めされている。
便利を追求したはずの選択肢は、積み重なればただの「ノイズの洪水」でしかない。  スマホの画面を必死に指でなぞるお客とそれを静かに見守る大行列。
その光景は、各社が「便利」を競い合った末にたどり着いた、
なんとも皮肉で愛おしい「不便の極み」だと思う。

効率化という名の迷宮に迷い込み、
今日も私たちは、レジ前に大切な時間を捧げている。

2月1日(日)

日経新聞。
「緊急避妊薬、72時間以内の服用で効果8割2月から市販」
性交後に飲む避妊薬「ノルレボ」。
性行為から72時間以内に女性が1錠飲むと、81%の確率で妊娠を防げるという。

ちなみに1錠入り1箱7480円(税込)。

年齢制限はなく、親などの同意もなしで購入できるようだが、
私が非常におかしいと思う点が一つある。
「薬剤師から説明を受け、薬剤師の前で飲むことが条件」
医師の前で?えっ、おかしくない?

プライベートとかどうなってるの?
目の前で服薬って、いつの時代ですか。

2月某日(火)

期日前投票へ。

2月某日(木)

菓子パンと紙パックの飲料を両手に持ちながら、
高校生が目の前を通り過ぎる。

若さ。
体力。
無知(いい意味)。
スピード。

私から失われた全てのもの。

2月某日(月)

ゲルハルト・リヒター図録。
その他古本を10冊ほど購入。
私の住む街のすべてが、
本屋、映画館、酒場、ライブハウスだったらいいのに。

2月某日(火)

韓国から友人が来ている。
自宅のゲストルームからいびきをかいているのが聞こえる。

(寝ている隙を見計らい、ランニング8キロ終了)

それもあって、映画『ソウルの春』を再見。

1979年10月26日。
独裁者とも言われた大韓民国大統領が側近により暗殺され、
民主化を期待する国民の声が高まっていく。実話を元にした作品。

70年代後半から80年代。
私もすでに生まれている、それほど遠くない過去の真実。

昨年、ソウル駅から高速鉄道に乗り
「光州」という都市へ向かったことを思い出す。

1980年の光州事件。
市民による軍事政権への民主化要求の蜂起。銃弾の痕跡。事実を覆い隠した当時の報道、国家によるプロパガンダ。争い続けた人々の声と、その後の民主化への歩み。

私が生まれてから起きている、隣国の凄まじい歴史。

2月某日(火)

年々欲しいものは減ってきているが、
大切だと気づいたものは、より強度になっていく。

2月某日(金)

電車の中。

「一体、何と戦ってるんだ?」というくらいに、不機嫌で怒っている人がいる。

そんなにイライラしないで、一杯お酒でもコーヒーでも奢るからさ、飲みにでも行こうぜ(知らない人だけど)。リラックスしようぜ。

穏やかに生きたいものですね。